原子爆弾とは〜注87

公開: 2019年10月16日

更新: 2019年10月18日

注87. 焼夷弾

市街地の無差別爆撃のために米軍が開発した兵器の一つで、現在はナパーム弾と呼ばれているものです。爆弾は、信管のまわりに大量の火薬を詰め込み、爆弾が地上に落下するとその衝撃で信管が発火し、周囲の爆薬が爆発します。焼夷弾は、その爆薬の代わりに揮発性の可燃性燃料を詰め込んであります。焼夷弾が地上に落下すると、その可燃性燃料が周囲に飛び散り、信管が発火すると可燃性燃料に燃え移ります。日本では、家屋の建築材として木材が使われていたため、火事に弱く、都市部では火がすぐに燃え移ると言う問題がありました。関東大震災直後の火災で、東京で大火災が起きた原因が木造家屋の延焼でした。この情報に基づき、日本の都市部への攻撃には、爆破力の高い爆弾よりも、製造コストの安い焼夷弾の方が効果的であると米軍は分析していました。

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